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UA値とは?断熱性能の目安を奈良の工務店がやさしく解説

家づくりの情報を集めていると、必ずといっていいほど目にする「UA値(ユーエーち)」という言葉。「UA値0.46」「HEAT20 G2」と書かれていても、それが暮らしの中でどんな違いになるのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。

 

UA値は、ひとことで言えば「冬、家の熱がどれくらい外へ逃げやすいか」を示す数値です。数値が小さいほど、熱が逃げにくい=暖かい家になります。ただし、UA値だけを見て家の快適さは決まりません。気密や日射のとり方など、他にも見るべきポイントがあります。

 

この記事では、奈良で注文住宅を手がける楓工務店が、UA値の意味と地域別の目安、HEAT20 G1・G2との関係、UA値が低いと暮らしがどう変わるかまでを、家づくり初心者の方にも分かるようやさしく解説します。

 

 

UA値とは?〜「家全体の熱の逃げやすさ」を表す数値〜

UA値(外皮平均熱貫流率)とは、家の屋根・壁・床・窓など、外気に接している部分(外皮)から、家全体の熱がどれくらい外へ逃げるかを平均で表した数値です。

 

単位は「W/㎡・K(ワット毎平方メートル毎ケルビン)」ですが、暮らしの感覚で言えば「家1㎡あたり、室内外の温度差1℃ごとに、何W分の熱が逃げるか」を示しています。

  • UA値が大きい: 熱がたくさん逃げる → 冬は寒く、暖房が効きにくい家
  • UA値が小さい: 熱が逃げにくい → 冬も暖かさが続き、暖房費が抑えられる家

つまり、UA値は小さいほど断熱性能が高いということです。同じ広さの家でも、UA値が違えば「真冬の朝、エアコンをつけたときに家中が暖まるまでの時間」「夜、暖房を切ったあとの冷め方」がまったく違ってきます。

 

UA値はどうやって決まるのか

UA値は、次のような要素の組み合わせで決まります。

  • 断熱材: 種類と厚み(隙間なくぴったり密着する断熱材(硬質ウレタンフォーム)など)
  • 窓・サッシ: 樹脂サッシ・アルミ樹脂複合サッシ・ガラスの層数(複層/トリプル)
  • 玄関ドア: 断熱仕様かどうか
  • 外皮の面積バランス: 窓を大きくするほどUA値は不利になりやすい

図面の段階で計算できる数値なので、契約前に住宅会社へ「この家のUA値はいくつになりますか?」と聞けば必ず答えが返ってくるはずです。

 

UA値の目安は地域によって違う

UA値の目安は、その家が建つ地域の寒さによって変わります。北海道と沖縄では必要な断熱の強さがまったく違うため、国はあらかじめ地域を1〜8に区分しています。

 

奈良県は「5地域」または「6地域」

奈良県は、エリアによって以下のように分かれています。

  • 5地域: 生駒市・宇陀市など(やや山間寄り)
  • 6地域: 奈良市・橿原市・大和郡山市など(平野部)

5地域と6地域では、各基準で求められるUA値の数値が少し違います。

 

代表的な基準と目安数値

5地域・6地域でよく使われる断熱基準の目安は次のとおりです。数値はあくまで「これ以下なら基準クリア」というラインです。

  • 省エネ基準(断熱等性能等級4): UA値0.87以下 — 2025年4月から新築の最低限の義務基準
  • ZEH基準(断熱等性能等級5): UA値0.6以下 — 太陽光なども組み合わせてエネルギーゼロを目指す基準
  • HEAT20 G1(断熱等性能等級6相当): UA値0.56以下 — 冬の最低体感温度がおおむね10℃を下回らない
  • HEAT20 G2(断熱等性能等級6超): UA値0.46以下 — 冬の最低体感温度がおおむね13℃を下回らない
  • HEAT20 G3: UA値0.26以下 — さらに上の高性能ライン

暮らしの言葉に置き換えると、UA値0.46(HEAT20 G2基準)「真冬にエアコン1台で家中あったかい家」のイメージです。一方、省エネ基準ぎりぎりのUA値0.87だと、廊下や脱衣所が寒く、エアコンの効いた部屋から出るとヒヤッとする家になりやすい、ということになります。

 

耐震や気密もあわせた性能全体の考え方は、住宅性能の真実〜断熱・耐震・気密〜でまとめています。

 

 

HEAT20 G1・G2・G3の違いを暮らしの言葉で

 

HEAT20は、研究者と実務者でつくる団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が示している、より高い断熱の目標値です。国の最低基準より上の「快適さ」の基準と考えるとイメージしやすいです。

 

G1(UA値0.56以下)

  • 冬、家の中の最低体感温度がおおむね10℃を下回らない
  • 暖房を切った朝、室温が10℃前後で目覚める感覚
  • 従来の家より明らかに暖かいが、布団から出るのにまだ少し勇気がいる

 

G2(UA値0.46以下)

  • 冬、家の中の最低体感温度がおおむね13℃を下回らない
  • 朝起きても廊下や脱衣所がそれほど冷えていない
  • 市販のエアコン1台で床下から家全体を暖める仕組み(ダクトレス全館暖房)と組み合わせると、家中の温度差が小さい暮らしになる

 

G3(UA値0.26以下)

  • 冬、家の中の最低体感温度がおおむね15℃を下回らない
  • 暖房を弱めにしても家全体が暖かい
  • 外皮への投資が大きくなるため、土地・間取り・予算のバランスで採用判断が分かれる

 

楓工務店のORDER/SELECTでは、標準でHEAT20 G2(UA値0.46以下)を確保しています。商品ラインナップのページから各シリーズの仕様をご確認いただけます。

 

 

UA値が低いと、暮らしはどう変わる?

UA値の数値だけを見ても、正直なところピンとこない方が多いと思います。ここでは、UA値が低い家=断熱性能が高い家で、実際の暮らしがどう変わるかを具体的にお伝えします。

 

① 冬の朝、起きるのがつらくない

UA値が高い家では、夜のうちに熱がどんどん外へ逃げてしまうため、朝起きると室温が一桁台ということも珍しくありません。UA値0.46クラスの家では、暖房を切ってもゆっくりとしか温度が下がらないため、朝の室温が高めに保たれやすくなります。

 

② 廊下・脱衣所・トイレが寒くない

「リビングは暖かいけれど、お風呂場や廊下に出るとヒヤッとする」というのは、断熱が弱い家にありがちな悩みです。家全体の断熱が高くなると、部屋ごとの温度差が小さくなり、ヒートショックのリスクも減らせます。

 

③ 暖房費が抑えられる

同じ広さの家でも、UA値が低いほど少ないエネルギーで室温を保てます。光熱費の実際については、全館暖房の電気代は高い?光熱費の実際でも詳しく解説しています。

 

④ 結露・カビが起きにくい

断熱が弱いと、外気で冷やされた壁や窓ガラスに室内の水蒸気がついて結露します。UA値が低い家ほど壁や窓の表面温度が下がりにくく、結露とそこから発生するカビのリスクを抑えられます。

 

⑤ 夏も涼しさが続く

UA値は冬を想定した数値ですが、断熱が高い=外の熱気も伝わりにくいため、夏のエアコンの効きもよくなります。あわせて夏の日差しをどれだけ遮るか/冬の日差しをどれだけ取り込むかの数値(ηAC値/ηAH値)も適正に設計しておくことが大切です。

 

UA値だけで「快適な家」は決まらない

ここまで読むと「UA値さえ小さければOK」と思ってしまいがちですが、実はUA値だけでは家の快適さは決まりません。同じUA値でも、住んでみたときの快適さに差が出ることがあります。理由は次の3つです。

 

理由①: 気密(C値)が違うと、暖かさが逃げる

UA値は計算で出せますが、家には現場で生まれる「隙間」があります。隙間が多い家では、暖めた空気が知らないうちに外へ逃げ、冷たい外気が入り込みます。これを示すのが「家の隙間がどれだけ少ないかを実際に測る検査(C値)」です。

 

楓工務店は全棟でC値の実測を行い、隙間がほとんどないから花粉もPM2.5も入ってこない家(C値0.7〜0.8)を基準にしています。詳しくは高気密高断熱の家で後悔しない選び方もご覧ください。

 

理由②: 太陽の光と熱を活かす設計手法(パッシブデザイン)の差

同じUA値の家でも、夏の日差しを軒や庇でうまく遮れているか、冬の太陽光を窓から取り込めているかで、冷暖房の使用量はまったく変わります。UA値が低くてもηAC/ηAH値が適正でなければエネルギー消費量は変わらない、というのが楓工務店の考え方です。

 

理由③: 暮らし方・間取りの差

大きな吹き抜けや広いLDK、回遊できる動線などは暮らしを豊かにしますが、暖気が拡散しやすい間取りでもあります。間取りと性能はセットで考える必要があります。

 

楓工務店では「窓を減らせばUA値は上がるが、使い勝手が下がる」という考えのもと、たっぷりの窓で明るく風通しの良い家を、高い断熱性能で実現することを理想としています。いたずらに数値だけを追わず、断熱材・サッシ・省エネ設備を適切に組み合わせるのが大切です。

 

住宅会社にUA値を聞くときのチェックポイント

UA値はカタログのキャッチコピーになりやすい数値です。だからこそ、聞き方を少し工夫すると、その会社の考え方がよく見えてきます。

 

① 「うちの土地に建てると、UA値はいくつになりますか?」

カタログのUA値はモデルプランの数値です。実際に建てる土地・間取り・窓の配置によってUA値は変動します。「お客様の土地・間取りで計算するといくつになるか」を出してもらえる会社は信頼度が高いです。

 

② 「気密(C値)は全棟測っていますか?」

UA値(断熱)は計算で出せますが、気密(C値)は一邸一邸現場で実測しないと分かりません。「全棟測っていますか?」と聞くと、施工精度に対する自信がストレートに分かります。

 

③ 「断熱材の厚みやサッシの種類を教えてください」

UA値の中身は、断熱材・サッシ・窓のガラスの組み合わせです。具体的に答えられる会社かどうかを確認しましょう。

 

④ 「サーモグラフィー検査はやっていますか?」

図面どおりに断熱材が入っているかを、熱カメラで断熱材の隙間がないか確認する検査(サーモグラフィー検査)でチェックしているか、も大事な確認ポイントです。

 

楓工務店のUA値・断熱の考え方

楓工務店では、商品ラインによって標準のUA値が異なります。

  • ORDER / SELECT: HEAT20 G2基準(UA値0.46以下)/冬の最低体感温度おおむね13℃を下回らない
  • COCOQUMI / COCOCHIE: HEAT20 G1基準(UA値0.56以下)/冬の最低体感温度おおむね10℃を下回らない

いずれも、現場吹き付けの硬質ウレタンフォームを使い、面材ありの施工で通気層を15mm以上確保しています。さらに、全棟でサーモグラフィー検査と気密測定(C値測定)を実施し、計算上の性能と実際の施工結果のズレが出ないように品質を管理しています。

 

「真冬にエアコン1台で家中あったかい家」がどんな感覚なのかは、文字や数値で読むよりも、体感していただくのが一番分かりやすいです。街かどモデルハウスでは、実際の温度と湿度の中で体感していただけます。

 

実際にお引き渡しした住まいの事例は施工事例で、地震に強い家側の考え方は耐震等級3の家とは?もあわせてご覧ください。国の補助制度も活用したい方はZEH住宅とは?もご参考になります。

 

 

よくあるご質問(FAQ)

Q1. UA値はいくつなら「高断熱の家」と言えますか?

奈良県(5・6地域)であれば、HEAT20 G1基準のUA値0.56以下なら高断熱の入口、G2基準のUA値0.46以下ならしっかり快適性が体感できる水準、と考えていただくと分かりやすいです。省エネ基準のUA値0.87は、これからの新築としては最低限の基準です。

 

Q2. UA値とQ値は何が違うのですか?

どちらも家の熱の逃げにくさを表す数値ですが、計算の考え方が違います。古いカタログにはQ値(熱損失係数)が載っていることがありますが、現在の新築基準ではUA値(外皮平均熱貫流率)を使うのが一般的です。会社を比較するときはUA値で揃えて見比べてください。

 

Q3. UA値が同じなら、どの会社でも同じ暖かさになりますか?

同じUA値でも、気密(C値)や太陽の光と熱を活かす設計手法(パッシブデザイン)、間取りによって体感は変わります。UA値が同じ会社が複数あれば、「全棟気密測定をしているか」「日射の取り込みを設計でどう考えているか」を聞いてみてください。

 

Q4. 奈良は寒冷地ではないので、そこまで高断熱にしなくても良いのでは?

奈良の冬はマイナス気温になる日も少なくありません。さらに高断熱は「冬の暖かさ」だけでなく、夏の涼しさ・部屋間の温度差の小ささ・暖房費の抑制・結露とカビの予防にもつながります。寒冷地でなくても、HEAT20 G1〜G2程度は十分に意味があります。

 

Q5. UA値を良くすると、窓は小さくなりますか?

計算上、窓を減らせばUA値は良くなります。ただし、暮らしの明るさや風通しが犠牲になります。楓工務店ではたっぷりの窓で明るく風通しの良い家を、高い断熱性能で実現することを理想としており、断熱材・サッシ・省エネ設備の組み合わせで、窓の心地よさを残したままUA値を確保しています。

 

Q6. UA値が良い家ほど、本体価格は高くなりますか?

断熱材を厚くしたり性能の高いサッシを採用したりするぶんのコスト差は確かにあります。一方で、暖房費・冷房費の差は長く住むほど効いてきます。総予算を先に決めて、そこから土地と建物の予算を振り分ける方法(逆算方式の資金計画)で、無理のない範囲で性能を選ぶのがおすすめです。費用感は奈良で家を建てる費用の全てもあわせてご覧ください。

 

Q7. UA値と耐震は別の話ですか?

別の数値ですが、家を選ぶときはセットで見るのがおすすめです。耐震は消防署と同レベルの地震に強い家(耐震等級3)を、楓工務店では全棟で確保しています。詳しくは耐震等級3の家とは?をご覧ください。

 

Q8. UA値はどこに書いてある?契約書?図面?

UA値は設計図書(性能評価書や仕様書など)に記載されます。「うちの土地・うちの間取りでのUA値」を、契約前に紙でもらえると安心です。あわせて、断熱材の厚み・サッシの種類も書面で確認できるとベストです。

 

Q9. UA値だけでは判断できないなら、結局なにを見ればいいですか?

「UA値(断熱)」「C値(気密・実測)」「耐震等級」「日射の取り込み・遮蔽の設計」の4点をセットで見るのがおすすめです。住宅会社選びの全体像は失敗しない工務店の選び方チェックリストもご参考にしてください。

 

UA値は「数字」ではなく「体感」で確かめてください

UA値は、家の暖かさを比較するためのとても便利な数値です。一方で、「冬の朝に起きるのがつらくない」「廊下や脱衣所がヒヤッとしない」「夜寝るときに窓辺が冷えない」といった体感は、数字を見るだけでは分かりません。

 

楓工務店の街かどモデルハウスでは、UA値0.46(HEAT20 G2)クラスの家の室温・湿度・空気のきれいさを、実際の暮らしに近い形で体感していただけます。「数字の意味が、暮らしの感覚で腑に落ちる」体験になるはずです。

 

 


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