3人暮らしにちょうどいい平屋:26.31坪2LDKで“老後もコスパも”両立した家

「家は広いほうがいい」。そう思って30坪、40坪の家を検討する方は多いですが、実際に暮らしてみると空き部屋が増え、掃除や管理が負担になるケースも少なくありません。今回ご紹介するのは、延床26坪というコンパクトなサイズながら、「え、こんなに広いの?」と感じさせてくれる平屋住宅です。中庭を中心にした間取りと、暮らしやすさを突き詰めた動線計画。その工夫を、ルームツアー形式でじっくり見ていきます。

 

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この家のコンセプト|30代夫婦+子ども1人に「ちょうどいい」平屋

この住まいを計画する際に大切にしたのは、「今」だけでなく「これから」の暮らしまで見据えることでした。お子さんが成長して独立したあと、部屋が余ってしまう大きな家よりも、必要な広さを無理なく使い切れる家のほうが、長く快適に暮らせると考えたそうです。

 

また、以前住んでいた家では2階への上り下りが日常的な負担になっていました。将来年を重ねたときのことを想像すると、生活がすべて1階で完結する平屋の安心感は大きな決め手になります。3人家族を想定し、部屋数は最小限にしながらも、窮屈さを感じさせないこと。その答えが、今回の26坪平屋でした。

外観デザイン|26坪に見せないための設計の工夫

外観を見てまず驚かされるのは、「26坪とは思えないボリューム感」です。その理由のひとつが、片流れ屋根の使い方にあります。屋根の高い面を道路側に向けることで、正面から見たときの面積が大きく感じられ、建物全体にどっしりとした印象を与えています。

 

さらに玄関部分は、箱を組み合わせたようなデザインになっています。色味もあえて2色に分け、大小のボリュームを視覚的に強調することで、単調になりがちな平屋の外観にメリハリを生み出しています。敷地の正面と側面、どちらから見ても表情が変わるように計算されたデザインです。

外構とアプローチ|家の印象を決める「最初の数歩」

アプローチは、地面から少し浮いたように見える納まりになっています。このわずかな工夫だけで、玄関まわりがすっきりと洗練された印象になります。素材感も、塗り壁や自然石調のタイルを組み合わせることで、建物の外観と美しく調和しています。

 

アプローチの中心には、シンボルツリーが植えられています。この木は、外から見たときのアクセントになるだけでなく、室内からの景色としても重要な役割を果たします。玄関やLDKの窓越しに葉の揺れが見えることで、家の中にいながら自然を感じられる住まいになっています。

玄関|3畳でも「狭く感じない」理由

玄関の広さは約3畳。数字だけ見ると決して広くはありませんが、実際に立つと想像以上の奥行きを感じます。その理由は、玄関正面に設けられた大きな窓です。視線の先にシンボルツリーが見えることで、空間が外へとつながり、体感的な広さが生まれています。

 

収納計画も工夫されています。日常的によく履く靴はオープンな棚に置き、飾るように収納します。一方で、スニーカーやシーズンオフの靴、スーツケースなどはシューズクロークへ。見せる部分と隠す部分を整理することで、コンパクトな玄関でも雑多な印象になりません。

 

LDK|20帖+勾配天井で生まれる開放感

LDKは約20帖。平屋ならではの屋根形状を活かし、天井は勾配天井になっています。上方向への抜けがあるだけで、同じ床面積でも空間は一段と広く感じられます。大きなソファを置いても窮屈さがなく、家族が自然と集まる場所になっています。

 

リビングの先には中庭が広がっています。中庭は約8畳あり、床面積には含まれないスペースです。しかし視線が外まで抜けることで、LDK全体の広がりとして体感できます。室内と屋外が緩やかにつながることで、26坪という数字を忘れてしまうような感覚が生まれています。

中庭という選択|コスパよく「広さ」を足す方法

この家の象徴ともいえるのが、ロの字型に囲まれた中庭です。周囲からの視線を遮りながら、光と風をしっかり取り込めるため、プライバシーと開放感を同時に叶えています。

 

また、中庭は猫たちの遊び場としても活躍しています。脱走防止の格子を設けることで、安全に外の空気を感じられる空間になりました。リビング、ダイニング、寝室のどこからでも中庭が見えるため、家全体でこの空間を共有している感覚があります。

照明計画|明るさより「心地よさ」を優先

夜のLDKは、シーリングライトで一気に明るくするのではなく、間接照明を中心に構成されています。壁や天井をやわらかく照らす光は、くつろぎの時間にぴったりです。映画を見たり、お酒を飲みながら過ごしたりする夜の時間が、自然と落ち着いたものになります。

 

勾配天井のため、照明器具は壁付けにすることで、天井のラインを美しく見せています。明るさを確保しながらも、空間の雰囲気を壊さない照明計画です。

プライバシーへの配慮|平屋でも音は気にならない

コンパクトな平屋でよく心配されるのが、音や気配の問題です。この家では、リビングと寝室の間に短い廊下を設けることで、その悩みを解消しています。ワンクッションあるだけで、音の伝わり方は大きく変わります。

 

家族の存在は感じられるけれど、生活音が直接伝わらない。その絶妙な距離感が、平屋でもストレスなく暮らせる理由のひとつです。

キッチンとダイニング|家事をラクに、生活感は抑える

キッチンとダイニングは横並びに配置され、料理から配膳、片付けまでの動線がとてもスムーズです。ただし、設計段階では「横並びが本当に合うか」を丁寧に検討しています。回り込み動線が必要になる点も理解したうえで、土地条件と家族の暮らし方に合う形に調整しています。

 

背面には黒でまとめた収納と家電が並び、空間全体がすっきりとした印象です。冷蔵庫はパントリー内に配置され、来客時に生活感が出にくい工夫もされています。

洗面と水回り|廊下を活かした省スペース設計

洗面台は独立した洗面室ではなく、廊下の一角に設けられています。廊下という必ず通る場所に機能を重ねることで、無駄なスペースを減らしています。トイレの後や帰宅時にも使いやすく、動線の短さが際立ちます。

 

洗面まわりのスイッチ類はニッチにまとめられ、見た目もすっきり。こうした細かな積み重ねが、コンパクトな家をより広く感じさせています。

南側ランドリー|「乾かない」を解決する配置

ランドリースペースは約3畳。注目すべきは、その位置が南側にあることです。一般的には水回りは北側にまとめられがちですが、この家では日当たりを優先しました。その結果、室内干しでも洗濯物が乾きやすく、家事のストレスが大きく減っています。

 

洗う、干す、畳む、しまうという一連の流れが、ほぼ同じエリアで完結します。隣接するウォークインクローゼットには、乾いた衣類をそのままハンガーで掛けられるため、作業の手間が最小限です。

寝室と子ども部屋|最小限でも、将来に対応できる

寝室は約7畳ですが、中庭に面した窓のおかげで数字以上の広さを感じます。光と緑を感じながら過ごせるため、落ち着きのある空間になっています。リビングからの音も直接届かず、安心して休める配置です。

 

もう一室は約6畳。現在は子ども部屋として使われていますが、将来は書斎や趣味室としても活用できます。部屋数を増やしすぎず、使い道を変えられる余白を残すことで、家族の変化に柔軟に対応できます。

まとめ|26坪でも「狭くない家」はつくれる

この平屋が教えてくれるのは、家の広さは数字だけでは決まらないということです。中庭で視線を抜き、天井で高さを出し、動線を整理することで、26坪でも驚くほど快適な暮らしが実現できます。

 

大きな家を建てる前に、「本当に必要な広さはどれくらいか」を一度立ち止まって考えてみる。そのヒントが、この住まいには詰まっています。

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