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屋根の葺き替え・重ね葺き(カバー工法)の選び方と費用|塗装との違いもやさしく解説

「そろそろ屋根のメンテナンスをした方がいいと言われた」「訪問業者に葺き替えをすすめられたけれど、本当に必要なのか分からない」「塗装で済むならその方がいいのでは」——屋根のことで迷われる方は、とても多くいらっしゃいます。

無理もありません。屋根は、住んでいるご本人にはいちばん見えない場所だからです。外壁のひび割れや色あせは目に入りますが、屋根の上がどうなっているかは、ふだんの暮らしの中では確かめようがありません。そのため「言われるがままに決めてしまった」「金額が妥当なのか分からないまま契約した」というご不安につながりやすいのです。

屋根のリフォームには、大きく分けて塗装・重ね葺き(カバー工法)・葺き替えの3つの方法があります。そして、この3つのどれを選ぶかは、実は屋根材の見た目の傷み具合よりも、その下にある「下地」がどうなっているかで決まります。ここを知っているかどうかで、判断の納得感がまるで変わります。

この記事では、奈良・京都南部で700件以上のリフォーム・リノベーションを手がけてきた楓工務店が、3つの方法の違いと選び分けの基準、費用の考え方、点検の時期、台風で傷んだときの火災保険の使い方まで、初めての方にも分かる言葉でご説明します。

 

 

屋根リフォームの3つの方法|まずは全体像から

屋根の直し方は、ざっくり言えば「表面を塗る」「上からかぶせる」「全部やり替える」の3択です。工事の規模も費用も、この順に大きくなっていきます。

 

① 塗装|今の屋根材を活かして塗り替える

いまある屋根材の表面を洗って塗り直す方法です。3つの中でもっとも手軽で、費用も抑えられます。ただし塗装でできるのは「屋根材そのものを長持ちさせること」であって、下地の傷みを直すことはできません。屋根材がまだ健全で、割れや欠けが少ない段階に向いた方法です。

 

② 重ね葺き(カバー工法)|今の屋根の上に新しい屋根をかぶせる

既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材をかぶせる方法です。古い屋根を剥がさないため、解体で出る廃材が少なく、工事中の雨に対する不安も小さいのが特長です。「重ね葺き」「カバー工法」は同じ工事を指す言い方です。

屋根材の傷みは進んでいるけれど、下地はまだしっかりしている——というお宅に向いています。

 

③ 葺き替え|古い屋根材と下地をやり替える

古い屋根材をすべて撤去し、傷んだ下地も含めて新しくする方法です。3つの中でいちばん費用と工期がかかりますが、雨漏りの原因を根本から断てるのが最大の利点です。雨漏りがすでに起きている場合や、下地が傷んでいる場合は、この方法が必要になります。

 

 

3つの選び分け|決め手は屋根材ではなく「下地」

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。多くの方は「屋根材が傷んでいるかどうか」で判断しようとされますが、専門家が見ているのはその下です。

屋根は「三層構造」でできている

屋根は、上から順に次の3つが重なってできています。

  • 屋根材: 瓦・スレート・金属など、外から見える部分
  • 防水シート(ルーフィング): 屋根材のすき間から入った雨水を室内側に入れないための、二重目の守り
  • 野地板(のじいた): 屋根材と防水シートを支えている木の下地板

雨漏りは、屋根材が割れただけではすぐには起こりません。その下の防水シートが寿命を迎えたときに起こります。つまり、屋根の寿命を決めているのは、見えない2層目・3層目のほうなのです。

 

下地の状態別・向いている工法

  • 屋根材も下地も健全 → 塗装で表面を守る
  • 屋根材は傷んでいるが、下地はしっかりしている → 重ね葺き(カバー工法)
  • 下地が傷んでいる/雨漏りがある → 葺き替え

そして下地の状態は、屋根に上がって現地を見なければ判断できません。「築何年だから葺き替え」と年数だけで決めるのではなく、まず現状を確認するところから始めるのが確実です。

 

重ね葺き(カバー工法)を選べないことがある

重ね葺きは費用を抑えやすい方法ですが、どのお宅でもできるわけではありません。既存の屋根の上に新しい材料が乗るぶん、屋根全体の重さが増えるためです。もともとの屋根材が重い場合や、下地が傷んでいる場合には向きません。ここも現地調査での判断になります。

 

 

屋根材の種類と、それぞれの考え方

スレート系(薄い板状の屋根材)

多くの住宅で使われてきた屋根材です。表面の塗膜が劣化すると水を吸いやすくなるため、塗り替えによるメンテナンスが前提になります。傷みが進んだ段階では、重ね葺きや葺き替えの検討に移ります。

なお、古い時期に製造されたスレートには、材料の成分によって撤去時に特別な扱いが必要なものがあります。該当するかどうかは建てられた年代と製品によって異なるため、現地調査と資料の確認で判断します。

 

瓦(かわら)

瓦そのものは非常に長持ちする材料です。ただし、瓦を留めている部分や、下の防水シートには寿命があります。「瓦は割れていないから大丈夫」とは限らないのが難しいところで、ずれ・浮き・棟(屋根のてっぺん)まわりの傷みは点検で確認します。

 

金属屋根(ガルバリウム鋼板など)

軽く、重ね葺きの新しい屋根材としてもよく使われます。屋根が軽くなることには、次の章でご説明する利点もあります。

 

 

屋根を軽くするという発想|地震のときの揺れ方が変わる

屋根は建物のいちばん高いところにあります。そのため、屋根が重いほど地震のときに建物の上部が大きく揺さぶられ、家にかかる負担が大きくなります。逆に言えば、重い屋根から軽い屋根材に替えることは、建物への負担を軽くする工事でもあるということです。

「地震が心配」という理由で屋根のリフォームをご検討される方には、この視点も判断材料になります。ただし、屋根を軽くすれば必ず十分な強さになるというものではありません。建物全体の強さは、壁の量やバランス、基礎の状態など、さまざまな要素で決まります。

楓工務店では、間取りを変更する際、木造のみ耐震診断を行っています。※混構造やRC造の建物の耐震診断は行っておりません。屋根の工事とあわせて建物の強さも見直したいという場合は、ご相談ください。

 

 

屋根の断熱・遮熱|夏の2階の暑さは屋根から来る

「2階だけ、夏になると異常に暑い」というお悩みは、屋根から入る熱が原因になっていることが多くあります。屋根のリフォームは、この暑さを見直せる数少ないタイミングでもあります。

 

塗料で対策する方法

楓工務店の施工では、ガイナ塗料(塗るだけで夏は涼しく冬はあたたかくなる、断熱・遮熱効果のある塗料)を使った事例があります。築40年の二世帯住宅をリノベーションした事例では、家じゅうに断熱材を入れたうえで外装にガイナ塗料を採用し、夏涼しく冬あたたかい住まいに仕上げました。

 

屋根裏の断熱を足す方法

葺き替えのように屋根を開ける工事のときは、屋根の下の断熱を見直しやすくなります。足場を組むタイミングは限られているため、「屋根を直すついでに、暑さ・寒さも一緒に解決しておく」という考え方は、結果的にお得になることが多いのです。

断熱に関わる工事は、年度ごとの支援制度の対象になることがあります。最新の内容は住宅省エネキャンペーンの公式サイトでご確認ください(制度は年度ごとに内容・予算・期限が変わります)。

 

 

屋根リフォームの費用|実例と、金額が変わる理由

「結局いくらかかるのか」は、もっとも多いご質問です。ただし屋根の工事は、屋根の面積・形・勾配(傾きの急さ)・傷み具合・選ぶ屋根材によって金額が大きく変わるため、ひとことで「いくら」とは言えないのが正直なところです。実際の事例からイメージをつかんでいただくのが確実です。

 

屋根・外壁カバー工法の事例|約260万円

  • 費用: 約260万円
  • 面積: 屋根95㎡/外壁174㎡
  • 工期: 約1.5カ月
  • きっかけ: 台風で屋根材が破損。火災保険の申請サポートを活用して進めた事例です。

既存の屋根材を撤去せず上から新しい屋根材をかぶせる重ね葺きで、屋根と外壁をまとめて直したケースです。屋根単体・外壁単体ではなく、外まわり全体をまとめて工事した金額である点にご注意ください。

 

金額が変わる主な理由

  • 足場の費用: 屋根の工事にはほぼ必ず足場が必要です。だからこそ、外壁と同時に行うと足場代が一度で済みます
  • 屋根の形と勾配: 面が多い屋根や傾きが急な屋根は、手間と安全対策が増えます
  • 撤去する材料の量: 葺き替えでは古い屋根材の処分費がかかります。重ね葺きはこの部分が小さくなります
  • 下地の傷み: 開けてみて初めて分かる部分があります

個別のお住まいの金額は、現地調査のうえでのお見積りとなります。リフォーム・リノベーションの施工事例では、実際のお宅のビフォーアフターをご覧いただけます。

 

 

点検のタイミングと、台風で傷んだときの火災保険

築10年を過ぎたら、一度見てもらう

屋根は自分では確かめられない場所です。築10年以上たったら、一度プロに見てもらうのが安心です。傷みが小さいうちに分かれば、塗装で済むこともあります。逆に、放っておいて雨漏りが始まると、下地や柱まで傷んで工事が大きくなってしまいます。

 

台風・大雨のあとは要チェック

強い風のあとに屋根材がめくれたり、飛んできた物で傷ついたりすることがあります。自然災害による破損は、加入されている火災保険の対象になることがあります。前述の約260万円の事例も、台風被害をきっかけに火災保険の申請サポートを活用して進めたケースです。

保険が使えるかどうか、いくら支払われるかは、ご契約の内容と被害の状況によって異なります(詳細は保険会社の判断となります)。「これは保険の対象になるだろうか」という段階で、まずはご相談ください。

 

ご自身で屋根に上がらないでください

確認したいお気持ちは分かりますが、屋根の上は想像以上に滑りやすく、危険です。点検は必ず専門の業者に依頼してください。

 

 

後悔しないための進め方

1. 現地調査で「今の状態」を写真で見せてもらう

屋根はご自身で確認できないからこそ、写真で現状を見せてもらうことが大切です。どこがどう傷んでいて、なぜその工法をすすめるのか。ここが説明できる会社なら、判断の材料がそろいます。

 

2. 「あと何年もたせたいか」から逆算する

塗装の耐用年数は塗料のグレードで変わります。楓工務店の施工事例では、外壁にフッ素塗料(耐久年数 約15年)、屋根に無機塗料(耐久年数 15年)を使い、次の塗り替えまで約15年もつ仕上げにしたケースがあります。また築28年の戸建てを部分リノベーションした事例では、外壁・屋根の塗装で約20年ほどメンテナンスフリーで過ごせるよう仕上げました。

「今後この家に何年住むか」から逆算すると、どこまで費用をかけるべきかが決めやすくなります。

 

3. 見積もりは内訳と「追加費用の扱い」を確認する

屋根の工事は、開けてみて初めて分かる部分があります。だからこそ、下地に傷みがあった場合の追加費用をどう扱うかを、契約前に確認しておくと安心です。総額だけでなく、足場・撤去処分・下地補修が内訳に入っているかも見てください。

 

4. 外壁と時期をそろえる

屋根も外壁も足場が必要です。時期をそろえれば足場代が一度で済み、暮らしへの影響も一度にまとまります。耐用年数の近い材料でそろえておくと、次のメンテナンスも同じタイミングにできます。

 

 

よくあるご質問(FAQ)

Q. 塗装・重ね葺き(カバー工法)・葺き替え、どれを選べばいいですか?

下地の状態で決まります。屋根材も下地も健全なら塗装、屋根材は傷んでいるが下地は健全なら重ね葺き、下地が傷んでいたり雨漏りがある場合は葺き替えが基本の考え方です。現地調査で判断します。

 

Q. 重ね葺きと葺き替えでは、どのくらい費用が違いますか?

一般に、古い屋根材を撤去・処分する分だけ葺き替えのほうが費用がかかります。ただし屋根の面積・形・傷み具合で変わるため、具体的な金額は現地調査のうえでのお見積りとなります。

 

Q. 屋根の寿命は何年ですか?

屋根材の種類によって異なりますが、屋根の寿命を左右するのは屋根材よりも下の防水シートと下地です。年数だけで判断せず、築10年を過ぎたら点検で確認するのが確実です。

 

Q. 雨漏りしていなければ、まだ大丈夫ですか?

雨漏りは「下地の守りが尽きたサイン」で、そこまで進むと工事が大きくなります。雨漏りが起きる前に手を打てると、費用も工期も抑えやすくなります。

 

Q. 屋根を軽くすると地震に強くなりますか?

建物の上部にかかる負担は軽くなります。ただし建物全体の強さは壁の量やバランスなども関わるため、屋根だけで決まるものではありません。楓工務店では、間取りを変更する際、木造のみ耐震診断を行っています。※混構造やRC造の建物の耐震診断は行っておりません。

 

Q. 台風で屋根が壊れました。保険は使えますか?

自然災害による破損は、火災保険の対象になることがあります。楓工務店では申請のサポートを行った事例もあります。適用の可否や金額はご契約内容と被害状況によりますので、まずは状況をお聞かせください。

 

Q. 工事中は家に住んだままで大丈夫ですか?

屋根の工事は基本的にお住まいのまま進められます。ただし足場の設置期間中は窓の開閉や洗濯物に制約が出ますので、工程は事前にご説明します。

 

Q. 屋根の工事と一緒に、家の中も直せますか?

できます。足場を組むタイミングは限られているため、外まわりと室内をまとめてご計画いただくケースは多いです。内容はリフォーム・リノベーションのページでご確認いただけます。

 

Q. 訪問営業で「今すぐ工事が必要」と言われました。

屋根は自分で確認できないぶん、判断に迷いやすい部分です。あわてて決めず、現状の写真を見せてもらうこと、そして別の会社にも見てもらうことをおすすめします。

 

Q. 奈良市以外でも対応してもらえますか?

奈良県内および京都府南部を中心に対応しています。エリアの詳細はお問い合わせください。

 

 

まとめ|屋根は「見えないところ」から判断する

屋根のリフォームで迷ったときは、見えている屋根材ではなく、その下の下地がどうなっているかに立ち返ってください。そこが分かれば、塗装で足りるのか、重ね葺きが向くのか、葺き替えが必要なのかは、自然と決まってきます。

そして、屋根は足場を組まなければ手を入れられない場所です。だからこそ、外壁や断熱の見直しとタイミングをそろえることが、費用を抑えるいちばん確実な方法になります。

楓工務店の街かどモデルハウスでは、断熱がしっかりした住まいの夏の涼しさ・冬のあたたかさを体感いただけます。「2階の暑さをどうにかしたい」という方は、その体感を判断の材料にしてみてください。

楓工務店 街かどモデルハウス


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楓工務店では、現地調査から工法のご提案、火災保険のご相談、施工、アフターフォローまでサポートします。

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