シロアリ・湿気対策と長持ちする家の条件|新築で見るべきポイント

「新築でも、シロアリって来るんでしょうか」——ご相談の場で、けっこうな頻度でいただく質問です。そして、そのすぐあとに続くのが「壁の中が結露してカビる、という話も聞いて不安で」というお声。どちらも、住んでからでは自分の目で確かめられない場所の話なので、不安になるのは当然だと思います。
結論から申し上げます。シロアリも、湿気による腐りも、「木の家だから起きる」のではなく「木が濡れたまま乾かない状態が続くから起きる」ものです。逆にいえば、水を入れない・入った水は外へ逃がす・湿った空気をよどませない、というたった3つが現場でできていれば、木の家は長持ちします。
この記事では、シロアリと湿気を「気持ち悪いもの」ではなく「条件がそろうと発生するもの」として整理し、新築を建てるときに何を確認すればいいのかを、専門用語をできるだけ暮らしの言葉に置きかえてご説明します。楓工務店が実際に現場でやっていることも、あわせて包み隠さずお伝えします。
シロアリが来る家、来ない家。分けているのは「湿った木」
シロアリは木を食べに来るのではなく、湿った木に住みに来る
シロアリは、乾いてカラッとした木材よりも、湿って柔らかくなった木を好みます。地面の中から蟻道(ぎどう)と呼ばれる土のトンネルをつくって上がってきて、湿った木にたどり着き、そこを住まいにしながら食べ進めていきます。
つまり、シロアリ対策と湿気対策は別々のテーマではありません。湿気対策こそが、いちばん確実なシロアリ対策です。薬剤は「もしも」に備える保険であって、主役ではない、というのが私たちの考え方です。
シロアリが入ってくる3つの入口
- ①基礎のすきま・つなぎ目:コンクリートの継ぎ目にわずかな隙間があると、そこから泥水と一緒に侵入します
- ②床下の湿気だまり:風が通らず、じめっとした空気がたまっている場所は、シロアリにとって居心地のいい環境になります
- ③土に接した木部:ウッドデッキの脚元、庭に置きっぱなしの木材、基礎まわりに積んだ段ボールなども、呼び込む原因になります
①と②は建てるときにしか対策できません。③は住んでからのちょっとした習慣で防げます。記事の後半で、住んでからのポイントもまとめています。
羽アリを見たら、まず落ち着いて種類を確かめる
春から初夏にかけて、羽アリが飛ぶ姿を見かけることがあります。ただし、羽アリ=シロアリとは限りません。クロアリの羽アリも同じ時期に飛びます。見分けのポイントは、胴のくびれ(シロアリは寸胴、クロアリはくびれている)と、羽の大きさ(シロアリは4枚がほぼ同じ大きさ)です。
ご自宅の中や基礎まわりで大量に見つけた場合は、ご自身で駆除剤をまく前に、まず建てた会社に連絡してください。散布の仕方によっては、かえって被害の範囲を広げてしまうことがあります。
湿気が家に入ってくる3つのルートを知る
「湿気対策」と一口にいっても、湿気の出どころは3つあります。ここを分けて考えると、住宅会社の説明が急に分かりやすくなります。
ルート①:地面からの湿気(床下)
土は、いつも水分を含んでいます。その湿気が床下にこもると、土台や大引きといった床を支える木材がじわじわ湿ります。ここを断つのが、床下をコンクリートで覆う基礎の形と、床下の換気です。
ルート②:外からの雨(雨漏り・浸入)
いちばん怖いのがこれです。壁の中に雨水が入り込むと、断熱材が水を含んで性能を失い、石こうボードの裏側にカビが生えます。そして、壁紙の表面に黒いシミが出てきた頃には、中の柱や土台はすでに傷んでいる——というのが、現場でよく指摘される怖さです。
実は、住宅の保険事故のうち94.3%が雨水にまつわるもので、内訳は屋根32.1%・外壁24.2%・窓などの開口部23.9%・バルコニー19.9%と報告されています(出典: 楓工務店 施工品質ナレッジ)。「地震より、まず雨」なのです。
ルート③:暮らしの中で出る湿気(室内・壁の中)
料理・お風呂・洗濯物・人の呼吸。暮らしていれば、室内には毎日たくさんの水蒸気が生まれます。冬、この湿った空気が壁の中に入り込んで冷たい面にあたると、壁の中で結露します。これが壁内結露——柱や土台を内側から腐らせる、いちばん静かな敵です。
壁内結露を防ぐ「三重の仕組み」
壁の中の結露は、①湿気を壁の中に入れない ②入った湿気は外へ逃がす ③入った水は下へ流して外に出す、の3段構えで防ぎます。楓工務店では、商品ラインごとに次のような材料を標準にしています。
ORDER・SELECT(自由設計)の場合
- タイベック ドレインラップ:しわ加工がついた防水シート。湿気は通し、雨は通さず、万一入り込んだ水を下へ流して外に出す「排水機能」までを持っています
- タイベックスマート:季節に応じて湿気の通しやすさが変わる調湿シート。気密は確保しつつ、壁の中の余分な湿気は外へ逃がします
- ダブル断熱(外張り断熱+充填断熱):壁の中が冷えにくくなるため、そもそも結露しにくい状態をつくります
QUMIE(定額制)の場合
- スーパーエアテックスKD30:JIS規格(JIS A 6111:2016)の30年相当の耐久試験をクリアした防水シート。シート単体に10年の保証が付いています
- タイガーEXハイパー:地震に強い耐力面材でありながら、湿気をよく通す性質を持つ壁下地材。壁の中の湿気をスムーズに外へ逃がします
断熱材そのものも、結露対策の一部です
楓工務店は全棟で現場で吹き付ける硬質ウレタンフォーム(フォームライトSL)を使っています。液体を吹き付けて発泡させるため、複雑な形の柱まわりにも隙間なくぴったり密着する断熱材になり、木材が季節で伸び縮みしても追従します。すきま風による温度差が生まれにくいので、結露そのものが起きにくくなります。
また、施工の際は面材を張ったうえで、壁の中の湿気を逃がすための空気の通り道(通気層)を15mm以上確保しています。日本透湿防水シート協会が2012年に禁止した「直接吹き付ける施工」はしません。
床下は「乾かし続ける」——基礎パッキン工法という選択
基礎と土台を、直接くっつけない
昔ながらの工法では、コンクリートの基礎の上に土台の木材が直接のっていました。コンクリートは湿気を含むため、その湿気が土台に上がって、腐りの原因になっていたのです。
楓工務店では、基礎と土台の間に換気スリット付きの部材をはさむ基礎パッキン工法を採用しています。これにより、
- 基礎と土台が縁を切られるため、湿気が土台に上がってこない
- 建物の全周(360度)から風が入るため、床下に風の通らない「湿気だまり」ができない
- 結果として、湿った木を好むシロアリがそもそも寄りつきにくい床下環境になる
という3つが同時に成立します。昔の基礎のように壁の一部を四角くくり抜いて換気口をつくる方法だと、どうしても風が届かない隅ができてしまいます。ここが大きな違いです。
床下エアコンや換気システムとの組み合わせ
楓工務店の全館暖房は、市販のエアコン1台で床下から家全体を暖める仕組みです。床下の空気が動き続けるため、温度・湿度のムラができにくくなります。さらにオプションで、床下に給気・排気の口を設ける熱交換型の換気システム「澄家エコ」を組み合わせることも可能です。
水を入れない基礎——3つの地味な工事が効いてくる
ここからは、完成すると絶対に見えなくなる部分の話です。地味ですが、家の寿命をいちばん左右します。
①つなぎ目に鉄板を入れる(止水板)
べた基礎は、床の部分と立ち上がりの部分を2回に分けてコンクリートを流します。当然、そこに「打ち継ぎ部」というつなぎ目ができます。ここが無防備だと、泥水やシロアリの侵入口になります。
楓工務店では、この継ぎ目に基礎のつなぎ目から水やシロアリが入るのを防ぐ板(止水板)をはさみ込みます。継ぎ目に水が来ても、鉄板が壁になって建物の中には入れません。
②つなぎ目の白い粉を洗い流す(レイタンス処理)
コンクリートを流すと、表面に「レイタンス」という脆い白い膜が浮き出ます。これを残したまま次のコンクリートを流すと、上下がしっかりくっつかず、隙間ができて水やシロアリの通り道になります。
そこで、コンクリートの表面の不純物を高圧洗浄で除去する作業(レイタンス処理)を行ってから、次の工程に進みます。建築基準法で義務づけられている作業ではないため、業界全体で見ると実施率は高くないと指摘されています。だからこそ、確認する価値がある工程です。
③鉄筋を厚いコンクリートで守る(かぶり厚70mm以上)
鉄筋がコンクリートの表面に近すぎると、外から入った水分や空気で鉄筋が錆び、膨らんでコンクリートを割ってしまいます。楓工務店では、土に接する側の鉄筋が錆びないように厚くコンクリートで守る技術(かぶり厚)を70mm以上確保しています(法定基準は40mm)。
コンクリートは1年あたり約1mmずつ中性化が進むと言われます。かぶりが厚いほど、鉄筋にダメージが届くまでの時間を長く稼げる、というシンプルな理屈です。
雨を入れない外まわり——窓・軒・バルコニー
窓まわりは、雨漏りの急所
サッシの四隅は、雨漏りがもっとも起きやすい場所です。防水シートと防水テープだけで処理すると、テープの接着が年月とともに弱まり、そこから水を呼び込むことがあります。
楓工務店では、窓まわりから雨水が入るのを防ぐ防水部品(ウェザータイト)を使い、水が入っても外へ返す構造にしています。万が一の窓まわりの結露水も、外へ排出されます。
コーキングだけに頼らない「二重の守り」
外壁のつなぎ目を埋めるコーキング材は、おおよそ10年で劣化してひび割れる可能性があります。そこで、外壁の内側に貼る防水シートを壁と屋根の境目で止めず、境目を越えて長く伸ばして施工しています。万が一1つ目の防水が破れても、2つ目で守る二重の仕組み(二次防水)という考え方です。
そのほか、軒先の防水シートをL字にして雨水をシートの中で処理する、防水シートを留めるタッカー釘の穴を止水テープでふさぐ、バルコニー手すりの天端に通気口を確保する、といった細かい処理を積み重ねています。最後は実際に水をかける放水試験で、漏れがないことを確認します。
材料と検査——「紀州桧」と「数百項目の記録」
土台と柱に国産紀州桧
家の骨組みのなかでも、湿気の影響を受けやすい土台と柱には、国産の紀州桧を標準で使用しています。桧は、湿気や虫に強い樹種として古くから使われてきた木です。守るための工事に加えて、素材そのものが強い、という二段構えです。
なお、木材の含水率の数値基準や、防蟻薬剤の種類・処理方法については、現時点で社内資料に明記がありません。ご検討中の方は、打ち合わせの際に遠慮なくご質問ください。
見えなくなる部分を、写真で残す
ここまでご説明した工事は、すべて完成すると見えなくなる部分です。だからこそ、記録がすべてだと考えています。
- 全棟で320〜530項目の自主検査を実施(基礎工事だけで70項目以上)
- 検査項目を工事請負契約書に明記(111項目を記載)
- 数百枚の写真付き検査報告書を全てのお客様にお渡し
- 2025年10月、日本中小建設業CS経営支援機構より工事品質優良工務店 認定第1号(全国初)
「シロアリ対策していますか?」と聞けば、たいていの会社が「しています」と答えます。大事なのは、その工程の写真が残っているかどうかです。
保証で確かめる——防蟻10年保証と、その先
楓工務店では、Jotoキソパッキング工法による防蟻10年保証が付いています(登録番号1102-310-0004)。あわせて、湿気・水に関わる主な保証は次のとおりです。
- 防蟻保証: 10年
- 瑕疵担保責任保険(構造・雨水侵入防止部分): 最長25年
- 防水保証(ベランダ・屋根): 10年(以降は有償メンテナンスで継続)
- 屋根保証: 塗膜15年・穴あき25年
- 地盤保証: 20年
そして、保証と同じくらい大切なのが点検です。楓工務店のカエサポ(30年定期点検)では、1年・5年・9年を無償点検、以降は14年・19年・24年・29年を有償点検としています。特に9年点検は、法律で定められた10年保証が切れる前に状態を確認する重要なタイミングです。
住んでからできる、湿気とシロアリの遠ざけ方
建てたあとの暮らし方でも、家の寿命は変わります。難しいことは何もありません。
- 基礎まわりに物を置かない:段ボール・木材・植木鉢を密着させて置くと、湿気がこもり、シロアリの足がかりになります
- 床下の通気口をふさがない:物置や自転車で基礎の外周をふさがないようにします
- ウッドデッキや庭の木材は定期的に点検:土に接する木部はいちばん狙われます
- 雨どいの詰まりを年1回チェック:あふれた雨水が外壁を伝い続けると、思わぬ場所から浸みます
- 換気システムのフィルターを掃除する:換気が弱まると湿気がこもります
- 気になるシミ・カビ・床のきしみは早めに相談:表に出た時点で、中は先に進行しています
楓工務店では、お困りごとにすぐ駆けつけられる距離(車で1時間圏内)を施工エリアの基準にしています。「これって相談していいのかな」というレベルで、遠慮なくご連絡ください。
住宅会社への「効く質問」5つ
各社の説明を比べるとき、そのまま使っていただける質問です。答えの内容よりも、写真や書類で示せるかに注目してみてください。
- 「基礎の打ち継ぎ部に止水板は入れていますか?その写真は残りますか?」
- 「レイタンス処理はしていますか?処理前と処理後の写真はありますか?」
- 「鉄筋のかぶり厚は何mmを基準にしていますか?」
- 「壁の中の通気層は何mm確保していますか?断熱材は直接吹き付けですか、面材ありですか?」
- 「防蟻保証は何年で、10年後の更新はどうなりますか?」
よくあるご質問(FAQ)
Q. 新築でもシロアリ被害は起こりますか?
A. 起こり得ます。新築だから安全ということはなく、床下に湿気がこもる状態や、土に接した木部があると、築年数に関係なく寄ってきます。だからこそ、床下を乾いた状態に保つ設計と、定期点検の両方が必要です。
Q. べた基礎ならシロアリは入ってこないのでは?
A. 床下全体がコンクリートで覆われるため、土が露出している場合よりは有利です。ただし、コンクリートのつなぎ目や配管まわりにわずかな隙間があれば、そこから侵入します。「べた基礎だから安心」ではなく、「つなぎ目をどう処理しているか」で判断してください。
Q. 防蟻の薬剤は、何年かごとに再処理が必要ですか?
A. 一般的には、薬剤による処理は年月とともに効果が薄れるため、定期的な再処理が必要とされています。楓工務店で使用している薬剤の種類・処理方法・再処理の周期については、現時点で社内資料に明記がありません。打ち合わせの際にご確認ください。
Q. 高気密の家は、湿気がこもってカビやすいのではないですか?
A. 逆です。すきまが多い家は、湿った空気が壁の中に入り込んで結露します。隙間がほとんどないから花粉もPM2.5も入ってこない家(C値0.7〜0.8)にしたうえで、24時間換気で計画的に空気を入れ替えるほうが、湿気のコントロールはしやすくなります。
Q. 壁の中が結露しているかどうか、住んでいて分かりますか?
A. 初期段階では、ほとんど分かりません。壁紙に黒いシミが出る、押し入れの隅がカビる、といった症状が出た時点では、内部はすでに進行しています。だからこそ、建てるときの防水・通気の仕組みと、9年点検までの定期チェックが重要になります。
Q. 床下が乾いているか、自分で確かめられますか?
A. 点検口から懐中電灯で覗くだけでも、結露やカビ、水たまりの有無はある程度分かります。ただし、無理に潜り込むのは配管の破損などのリスクがあるためおすすめしません。定期点検の際にスタッフへお声がけください。
Q. 奈良は盆地で湿度が高いと聞きます。不利ですか?
A. 気候条件そのものは変えられませんが、床下の全周換気と壁の通気層があれば、湿気をためない家はつくれます。むしろ、地域の気候を前提にした設計・施工ができるかどうかが差になります。
Q. 無垢のフローリングは湿気に弱くないですか?
A. 無垢材は湿度に応じてわずかに伸び縮みしますが、それは湿気を吸ったり吐いたりしている証拠でもあります。室内の湿度が極端に振れない家であれば、問題なくお使いいただけます。楓工務店では全館暖房と組み合わせて無垢フローリングを標準的にご採用いただいています。
Q. 中古住宅を買ってリノベーションする場合の湿気対策は?
A. 既存の床下・壁の中の状態を調査したうえで、断熱・防水をやり直す判断が必要になります。新築とは考え方が変わるため、楓リフォームの窓口で個別にご相談いただくのが確実です。
Q. シロアリ被害が見つかったら、保証で直せますか?
A. 防蟻保証(10年)の対象範囲であれば補償されます。ただし、保証には「点検を受けていること」「床下を著しく湿らせる改造をしていないこと」といった条件がつくのが一般的です。ご契約時に条件を確認しておくことをおすすめします。
まとめ:家の寿命は、見えなくなる部分で決まります
シロアリ対策も湿気対策も、派手な話ではありません。基礎のつなぎ目に鉄板を1枚入れる、白い粉を洗い流す、シートを境目より少し長く伸ばす——そういう地味な工程の積み重ねが、10年後・30年後の家の姿を分けます。
住宅ローンは35年、40年と続きます。ローンを払い終わるその日まで、雨漏りしない・腐らない家であること。それが、私たちが施工品質にこだわる理由です。カタログの数字だけでなく、ぜひ「工事中の写真を見せてもらえますか」と聞いてみてください。
楓工務店の街かどモデルハウスでは、床下や壁の中の仕組みも含めて、実際の家で「どう乾かしているのか」をご説明できます。実物と検査写真をあわせてご覧ください。

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楓工務店では、資金計画から土地探し、設計、施工、アフターフォローまでトータルサポート。 まずはお気軽に無料相談会へお越しください。
